大人の修学旅行2014 in 京都 ①重森三玲さんとの出会い

2014/01/20
鹿嶋市在住のガーデンデザイナー、ボスこと溝口 望です。

先週末、人生2回目の京都に行ってきました。以前に行ったのは、高校生の時です。
まだまだ、お庭の魅力、奥深さに気づいていない10代でしたので、お庭を巡った記憶は残念ながらないんです。

日頃からお世話になっている欧州建材さんチームとご一緒させて頂き、総勢14名の大人の修学旅行です!
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みんなで巡る名庭の数々。
年末からとても楽しみにしていました。

土曜日の朝、京都に現地集合でのスケジュール。
せっかくなので、新幹線ではなく、茨城空港から神戸空港まで飛行機で行き、三ノ宮から電車で京都に行くことに。
茨城空港を利用するのも初めてです!前日の夜、京都に到着。

おいしい京都の朝ご飯を頂いた後に、みんなと合流です!
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本当の出汁巻き卵って、こういうお味なんだ〜!と感激した一品。

いくつになっても、初めてのことがたくさんあるのって、ドキドキワクワクですね。

1日目は天龍寺、桂離宮、修学院離宮、そして、2日目は東福寺、芬陀院(雪舟庭園)、光明院。
もちろん、それぞれのお庭は素晴らしく、似ているようでも表情が違います。

中でも、感銘を受けたのが、一度見て見たいと思っていた「小市松の庭」
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重森三玲【1896~1975】(シゲモリ ミレイ)さん作庭、東福寺 方丈八相庭園の北庭に位置します。
三玲さんといっても、男性の方です。昭和初期に数々の名庭を造られたお方。このお庭は昭和14年(1939年)に完成されたとのこと。
とっても最近ですよね。

私、この方のお庭に対する情熱に惚れました!

有名なお庭ですので、ご存知の方もおおいと思います。
私は、恥ずかしながら「苔を使った市松模様をモチーフにした庭園がある」というくらいの認識でした。

でも、この目でお庭を拝見した途端、三玲さんがどのような時代に、どんな思いでお庭を作られていたのかがもの凄く気になって、気になって。
鹿嶋に帰ってきてから、1時間だけ調べよう、と思っていたら、もう、のめり込んでしまい、寝食忘れて調べもの。

東福寺は禅寺だそうです。
写経ならぬ、写庭(造語です!)がしたくなって、小市松のお庭をトレースしてみました。
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石の並びは、平面図通りかな?
石の個数は?写真とにらめっこしながら再確認。
木の位置は変わってないかな?
楽しくって楽しくって、そしたら、なんと小市松が完成した当時の写真があることを知りました。
今は苔で覆われている、お庭に向かって右側の部分は、完成当時は砂利敷きになっていたんです!
ニョロニョロとした形、洲浜模様というそうです。
よりお庭奥行きを感じさせるために、そうされたんでしょうね。
私も、洲浜模様を当時の写真と照らし合わせて現在のお庭に書き込んで見ました。

あれ?何処かで見たモチーフ。
西庭の井田市松(せいでんいちまつ)のお庭で使われていたニョロニョロです。
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土曜日に降った雪で、本来の苔の部分が白く写っていますが。

お庭も生きているんですもんね。
完成した時と、全く同じ姿は永遠にないのですから。
でも、いつから砂利がなくなって、全部苔で覆われるようになったんでしょうね?
また、ひとつ、調べたいことが増えました。

個人的には、できた当初のように砂利の洲浜模様があった方が、現在の北庭の広さ、市松模様の敷石と苔と砂利のバランスが素晴らしいように思います。

重森三玲さん。

あなたに出逢えて、とっても素敵な旅でした。
今度会う時には、もっともっとあなたを勉強して伺います!

気持だけ東福寺に置いてきてしまったようなボスでした。